揮発性物質の影響を受けない唯一の水分活性測定装置
AquaLab TDL 2(アクアラブ ティーディーエル ツー)は、試料の上部空間に波長可変ダイオードレーザー(Tunable Diode Laser)を照射することで相対湿度を測定し、水分活性を求める画期的な測定装置です。これまで困難とされてきた、アルコールや酢、香辛料、香料などの揮発性物質を含む試料の測定を極めて正確に行うことができます。
波長可変ダイオードレーザーで水分活性を測定
従来の測定方法では、様々な種類の揮発性物質を含む試料の水分活性を正確に測定できていたのでしょうか。揮発性物質を除去する化学フィルターを用いなければならないような測定方法で、揮発性物質の影響を完全に排除して正確に水分活性を測定できるのかは疑問です。
メーターグループ(旧デカゴン)は、揮発性物質を含むさまざまな試料の水分活性を正確に測定することに特化した、波長可変ダイオード技術を用いた水分活性測定装置、AquaLab TDL 2を開発しました。AquaLab TDL 2は、密閉されたチャンバー内で試料の上部空間に水の吸収帯に同調する1nmよりも小さな波長のレーザー光を照射し、照射部と受光部との間で発生するレーザー光の減衰をもとに蒸気密度を測定します。このレーザー光は揮発性物質の濃度にかかわらず、水の分子にのみに反応するため、AquaLab TDL 2は揮発性物質の影響を完全に排除し、極めて正確に水分活性を測定することができるのです。
詳しくは「揮発性成分を含む試料の水分活性:適切なセンサーの選び方」をご覧ください。
揮発性物質を含む試料の測定に特化した水分活性測定装置
一般的に、水分活性の測定は、密閉されたチャンバー内で、試料の蒸気圧と試料上部の空間の蒸気圧が平衡に達した状態で行われます。蒸気圧はチルドミラーを用いて試料上部空間の露点温度を測ることで直接的に測定することができます。そしてその温度で空間の蒸気圧と飽和蒸気圧の比を計算することにより水分活性を測定します。あるいは、標準物質に対して静電容量、または電気抵抗の検量線を作成し、チャンバー内の平衡相対湿度から水分活性を間接的に測定します。
しかし、これらの測定方法ではエタノールなどの揮発性物質を含む試料を正確に測定することはできません。チルドミラー露点方式では揮発性物質が露点温度に影響を及ぼし、高めの測定値が出る傾向があります。電気抵抗式や静電容量方式では、センサーが揮発性物質を吸収してしまうことでセンサーの特性が変化し、その結果、検量線も変化してしまいます。装置によっては揮発性物質が存在するときに人工的に水分活性を高く補正するものもあります。揮発性物質の影響を除去する化学フィルターの使用が推奨されている場合もありますが、フィルターは平衡状態に影響を及ぼし、センサーの読み取りを妨害します。センサーがダメージを受けることもあります。したがって、上述の測定方式で揮発性物質を含む試料の水分活性を正確に測定することは困難なのです。
AquaLab TDL 2は波長可変ダイオードレーザーを用いることで、チルドミラー露点方式と同等の精度で、なおかつ揮発性物質の影響を受けることなく正確に水分活性を測定することができます。
高性能な温度制御システムを内蔵
水分活性は温度に依存します。温度が変わると、水の分解や水に溶けた溶質の溶解度、基質の状態の変化により水分活性も変化します。温度が水分活性に及ぼす影響の度合いは製品により異なります。含水率の高い製品のほとんどは温度による水分活性の変化は微々たるものですが、温度の上昇により水分活性が上昇する製品もあれば、水分活性が低下する製品もあります。したがって、温度による水分活性の変化の方向性を予測することは難しく、一定の温度で測定することが重要となります。
AquaLab TDL 2に内蔵された温度制御システムは、15~50℃までの広い範囲で温度を制御することができます。また、温度は0.1℃単位で設定でき、±0.2℃の精度で正確に温度を制御します。
測定データ自動保存機能
水分活性値、試料温度、測定時刻などの測定データは自動で保存されます。試料名などの測定情報の入力も可能です。8000データまで保存でき、保存されたデータを本体画面で確認することもできます。また、専用ソフトウェア AquaLink4を使用して測定データをダウンロードすることも可能です。
大切なデータをパスワードで管理
AquaLab TDL 2にはパスワード機能が搭載されているため、キャリブレーションや測定温度などの各種設定にアクセス制限をかけることができます。これにより、大切な保存データを誤って削除してしまったり、設定を変更してしまったりすることを防ぐことができます。
ユーザーID機能
AquaLab TDL 2はユーザーIDを4つまで登録することができ、ユーザーごとに測定条件などのデータを保存することが可能です。
21 CFR Part11対応
専用ソフトウェアのAquaLink4を使用すれば、電子記録・電子署名に関する規則である米国連邦規則第21条第11章(21 CFR Part11)の要件を満たすことができます。
通信機能
AquaLab TDL 2にはRS232とUSBのポートが搭載されていますので、プリンターやパソコンに接続して測定データをエクスポートすることができます。
表示言語切替機能
画面に表示される言語を、英語や日本語を含む10以上の言語から選択することができます。
クリーニング方法
技術仕様 | AquaLab TDL 2 |
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測定精度 | ±0.005aw@25℃ |
分解能 | 0.0001aw |
測定範囲 | 0.001~1.0000aw |
温度設定 | 15~50℃ 1℃単位設定 |
測定センサー |
波長可変ダイオードレーザー(Tunable Diode Laser) 赤外線試料温度センサー |
データ保存 | 8000データ |
サンプルカップ容量 | 15ml |
データ出力 | RS232、USB |
動作環境 | 温度:4~50℃ 相対湿度:0~90%RH(結露なきこと) |
寸法/重量 | 26.7(幅)×17.8(奥)×12.7(高)cm/3.18kg |
電源 | 100~220V 50-60Hz |