記事一覧

ナレッジベース

冷凍前と冷凍後の水分活性

冷凍すると食品のawレベルは変化するのでしょうか。解凍後はどうでしょうか。METER Groupの科学者たちに尋ねました。1ヶ月に及ぶ研究と試験を実施した彼らの回答をご紹介します。

水分活性(aw)は、未凍結状態の食品の品質と安全性を監視するために役立つツールです。しかし、水が氷に変化した凍結状態では、水分活性は温度によって完全に決定されるため、もはや測定装置を使用する必要はありません。さらに、水分活性と重要な安全・品質要素との相関関係は未凍結状態では存在しますが、凍結状態では存在しません。また幸いなことに、凍結状態ではほとんどの劣化反応が劇的に遅くなりますから、未凍結状態の食品の安全性と品質を水分活性で管理するのと同様の管理が可能です。

凍結状態では水分活性を測定する必要はありませんが、輸送や保管中に冷凍され、消費される前に解凍される製品は数多くあります。METER Groupに寄せられるよくある質問は、冷凍前の製品と、冷凍後に解凍した製品の水分活性が同じかどうかというものです。冷凍過程の複雑さ、未凍結水の存在、固形物の凍結濃度を考慮すると、室温で測定した場合、冷凍/解凍サイクルが製品の水分活性を変化させる可能性はあると思われます。

そこで、この疑問に答えるため、冷凍前と冷凍後のいくつかの食品を調べる実験を行いました。分析対象となったのは、黄色い生クリーム入りのスナックケーキ、チョコレートで覆われた生クリーム入りのスナックケーキ、水分含量が異なる数種類のレーズンなどです。スナックケーキのケーキ、クリームフィリング、アイシングは個別に測定しました。黄色のスナックケーキの場合、ケーキと生クリーム成分の水分含量はそれぞれ22.75%と21.18%でした。チョコレートのスナックケーキでは、ケーキ、生クリーム、アイシングの水分含量はそれぞれ17.78%、12.17%、5.47%でした。レーズンの水分含量は11%、18%、23%でした。次にAquaLab4TEを用い、それぞれの製品の水分活性を、試料温度制御を25℃に設定して2回ずつ測定しました。その後、各製品のサブサンプルを2日間、1週間、30日間凍結し、再びAquaLab 4TE で試料温度制御を25℃に設定して水分活性を測定しました。冷凍庫の温度は-15℃でしたが、各製品の温度は測定していません。結果は下の表をご覧ください。

冷凍/解凍サイクルの影響は最小限であり、さほど心配する必要はないことを示しています。また、凍結している時間が長くなればなるほど水分活性の変化が大きくなることもありませんでした。むしろ、冷凍/解凍サイクルによる水分活性の変化ではなく、実験誤差によるものと思われますが、結果はかなりランダムに分布しています。水分活性の差が最も大きかったのは0.03awで、黄色のスナックケーキの冷凍前と1週間冷凍後のものでした。スナックケーキ成分の水分活性値はすべて冷凍後に高くなりましたが、やはり0.03aw以上の差にはなりませんでした。レーズンの水分活性は、水分含量11%と23%のサンプルでは低下しましたが、18%のサンプルでは上昇しました。結論として、水分含量が大きく異なる製品であっても、冷凍/解凍サイクルが水分活性に大きな影響を与えることはないようです。

  黄色の
スナックケーキ
チョコレートの
スナックケーキ
レーズン
凍結時間 ケーキ クリーム ケーキ クリーム アイシング 11% 18% 23%
(27.8%) (21.2%) (17.8%) (12.2%) (5.5%)
未凍結 0.7891 0.7873 0.7311 0.7212 0.7137 0.4337 0.6154 0.7113
2日間 0.7902 0.7894 0.7385 0.7359 0.7375 0.4326 0.6179 0.7034
1週間 0.8191 0.8039 0.7356 0.7248 0.7277 0.4348 0.619 0.7073
1カ月間 0.7916 0.7895 0.7468 0.7367 0.7415 0.4228 0.6164 0.7087

水分活性についてさらに学ぶ:「水分活性101:基本をマスターしよう

この記事には水分活性の重要事項が凝縮されています。

  • 水分活性とは何か
  • 水分活性と水分含量はどう異なるのか
  • 水分活性がどう微生物の生育を抑制するのか
  • 水分活性を理解することが、製品の水分管理にどう役立つのか